Ⅰ)原発緑内障、Ⅱ)続発緑内障、Ⅲ)発達緑内障に分類されます。
Ⅰ)原発緑内障をさらに以下の3つに分類できます。
1) 原発開放隅角緑内障
角膜と虹彩で形成される隅角が広く、房水の出口前にある線維柱帯というフィルターが目詰まりを起こし、眼圧が上昇する緑内障です。
緑内障の70%を占める正常眼圧緑内障はこの範疇に入ります。
緑内障
緑内障とは、網膜の視神経細胞が進行性に消失し、視野に異常をきたす病気です。片方の目に見えない部分(視野欠損)があっても、両目で見ているともう片方の目でカバーをしてしまうため、自覚症状の乏しい病気です。
40歳以上の日本人の20人に1人は緑内障にかかっていると推定されており、日本人の中途失明原因疾患の第一位を占めております。
最近では、人間ドックや公的健診で緑内障が早期に発見される方も多くなりました。緑内障を早期に発見し、治療をきちんと受けて、眼圧をしっかり管理出来れば、多くの場合は失明に至る事はありません。早期発見と早期治療が大切な疾患です。
眼球の中は房水という水によって満たされており、この水圧を「眼圧」といいます。房水は眼内で産出され、眼内の前部を流れ、最後は体内に排出される循環をしています。産出と排出のバランスは常時保たれており、適度の眼圧(11~20mmHg)が維持されています。
しかし、何らかの原因で房水の産出と排出のバランスが妨げられると眼圧が上昇し、圧により視神経乳頭部が圧迫される事により視細胞が障害され、視野欠損が生じていきます。
眼圧が高くないタイプの緑内障もあります。日本人に多いのは正常眼圧緑内障で、眼圧が高くないにもかかわらず緑内障になる状態です。視神経乳頭の強さは人によって異なりますが、視神経が構造的に弱い場合、正常レベルの眼圧でも視神経に負担がかかっています。点眼治療によって、より眼圧を降下させる事で視神経への圧を軽減させ、緑内障の進行を抑制する事が出来ます。
Ⅰ)原発緑内障、Ⅱ)続発緑内障、Ⅲ)発達緑内障に分類されます。
角膜と虹彩で形成される隅角が広く、房水の出口前にある線維柱帯というフィルターが目詰まりを起こし、眼圧が上昇する緑内障です。
緑内障の70%を占める正常眼圧緑内障はこの範疇に入ります。
虹彩が隅角を塞いで房水の排水を滞らせてしまうために、眼圧が上昇する緑内障です。
眼部の容積が先天的に小さい人に発生しやすいです。
急性緑内障発作の場合、急激に眼圧が上昇するのが特徴です。
目の痛みや充血、視力低下、頭痛、吐き気などを引き起こし、救急の治療が必要になります。この種類の緑内障は瞳孔が拡大する薬を飲み、点眼薬を使用すると発作を起こす可能性があるため注意が必要です。
1)と2)を合併した緑内障です。
外傷や目の疾患、糖尿病などに伴って眼圧が上昇する緑内障です。ステロイドホルモン剤などの薬剤が体質に合わないために眼圧が上昇して発症するケースもあります。
生まれつき隅角の発達に異常があるために眼圧が上昇して起きる緑内障です。先天緑内障とも呼ばれます。
主に新生児や乳幼児の段階で発症する早発型と10~20代で発症する遅発型などに分類されます。
特に早発型の場合、発症後は急速に悪化する傾向があるので、手術が必要になる事も少なくありません。
自分の緑内障の種類を知っておく事が大切です。
角膜に眼圧計や圧搾空気を当てる事で眼圧を測ります。緑内障の検査では必ず行われます。
眼圧計を用いる場合には点眼麻酔を行います。
眼圧の正常上限は20mmHg以下です。
眼底の卵黄色の縦楕円形にみえる部分を視神経乳頭と言い、強膜壁を通過した視神経線維からなっています。
中心部が少しへこんでいて(視神経乳頭陥凹)、この形状を観察します。
このへこみが大きくなっていると、緑内障の疑いがあります。
光干渉断層計(OCT)により網膜の断面撮影を非接触的に撮影できる最新の画像診断装置です。
網膜の視神経線維層の厚さが測定でき、緑内障の診断には不可欠です。
中心の光を注視した際、どのくらい周辺の範囲が見えているのかを片側ずつ計測します。
視野異常の検出によって早期緑内障が確定診断され、また、重症度の判定もなされます。
視野計測法には動的量的視野検査と静的視野検査があります。
強角膜移行部と虹彩により囲まれた空間を隅角と言います。隅角が解放されているか、閉塞されているかを調べる事により、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に分類されます。
緑内障の治療は眼圧が高い場合でも、正常の場合でも眼圧を下げる事が大切です。
眼圧を下げる事により、視神経への圧の負担を軽減させ、緑内障の進行を遅らせる効果があるためです。
通常は点眼治療を行います。緑内障点眼薬には、効果や作用機序の異なる複数の種類があるため、病状に応じて複数の点眼を組み合わせて使用します。
点眼薬の効果が十分でない場合は、レーザー治療を検討します。
レーザー治療は緑内障の病状によって、虹彩に孔をあけて眼内の房水の流れを変えるものと、線維柱帯という房水の排出部にレーザーを照射し、房水の排出を促進するものがあります。
多くの場合、点眼治療やレーザー治療で治療ができますが、緑内障が悪化し、さらに眼圧を下げる必要がある場合は緑内障手術を行います。
「ACT Pack®」は参天製薬が提供する緑内障患者様の治療継続をサポートするツールです。
緑内障は一生涯にわたる長期管理が重要ですが、自覚症状が乏しく、治療効果も実感しにくいため、治療継続が難しい慢性疾患です。
「ACT Pack®」を導入する事で地域の緑内障患者様の治療継続に繋げていきたいと考えております。
ツールの中にございます「眼圧記録カード」を来院ごとに診察券と併せてご持参いただきますよう、お願いしております。