白内障を引き起こす水晶体の濁りは、水晶体の内部に含まれるタンパク質がさまざまなストレスを受けて変性する事によって発生します。
白内障の種類は主な原因ごとに以下のように分類されています。

老人性（加齢性）白内障

日常生活で浴びる赤外線や紫外線によって、水晶体内のタンパク質は白く濁ってきます。加齢とともに白濁が広がり視力の低下を引き起こすのが老人性白内障です。早い人では40代から症状が現れる方もいます。80歳を超えるとほとんどの方が白内障を持っているといわれています。

先天性白内障

生まれつき水晶体に濁りがある症状で、原因としては常染色体優性遺伝・染色体異常・子宮内感染（風疹、トキソプラズマ、サイトメガロウィルス等）の他、さまざまな全身疾患・症候群に伴って起こるものもあります。
症状が急激に進行するケースは少ないため、経過を観察するのが一般的です。水晶体の濁りが強く見え方に問題があると判断した場合には早急に手術を行います。

外傷性白内障

眼の怪我が原因で発症する白内障です。目に強い衝撃を受けた事で水晶体にダメージを受ける事が主な要因です。
急速に進行する症例が多く、早急に手術を要する例も多いですが、怪我から数年経過したのちに症状が現れる場合もあります。

糖尿病性白内障

糖尿病性白内障の原因は明確には分かりませんが、高血糖の状態が続く事が白内障の原因になると言われています。
また、糖尿病性白内障は水晶体の後側にある後嚢の中心から混濁する特徴があるため、視力障害などの発症初期から症状が現れます。

アトピー性白内障

アトピー性皮膚炎を発症している約30％の方が白内障を併発させているという報告があります。発症の原因は明確に解明されていませんが、「免疫異常」「かゆみに対する掻く・叩く・擦るといった刺激」などが関係していると言われています。

併発性白内障

ぶどう膜炎や緑内障、網膜剥離、網膜変性症といった別の眼疾患に合併して発症する白内障です。

その他の白内障

放射線やステロイド剤の副作用によって白内障が発症する事があります。

• 視力の低下
• 視界がかすむ
• ものがぼやけて見える
• ものが二重、三重に見える
• 陽射しや夜間の照明がまぶしい

以上のような症状があったら白内障の可能性があります。早めにご相談ください。

根本的な治療は手術になります。
白内障手術は近年最も発展した手術のひとつで、わずか2mm前後の小さな傷口から超音波装置で白内障を取り除く「超音波乳化吸引術」という方法で、白く濁った水晶体を超音波で砕き吸い取ります。その後人工水晶体である「眼内レンズ」を挿入します。
眼内レンズには「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」があり、ライフスタイルやご希望の見え方に応じて選択します。近視や遠視、乱視や老眼も矯正する事が可能です。

当院には手術施設がありませんので、近隣の手術が可能な病院やクリニックをご紹介しています。また、ご希望の施設へのご紹介も行っております。術後の経過は当院で責任をもって診察させていただきますので、ご安心ください。